ちょっと前に本州のとある湖で、紅葉の中、ボートを浮かべ一人フライロッドをふっていました。
ここは非常にマイナーな湖で、そもそも一日の釣り人が制限されており、年間の釣行可能日も制限されています。
そんな湖なので、釣り人も少なく、本当に自然を満喫できる数少ない場所です。
その日は朝から快晴で、とても気持ちが良い日でした。
本当に誰もいない山奥の中だと、いろいろな音が聞こえます。
風の音、船が揺れて軽く水面をたたく音、岸を踏みしめる動物の足音。
そんな自然の音に包まれながら、自然に溶け込みながら、独り竿を振る世界は、まるで東山魁夷の「緑響く」の世界に入り込んでしまったような感じがします。
フライフィッシングは繊細な釣り。
微妙な力のバランスでループを作りその力で、びっくりするほど静かに、そして遠くまでフライ(毛ばり)を飛ばすことができる釣りです。
そんな繊細な釣りがこの世界には非常に似合う。
静かに、そして自然に溶け込んでの釣りは、何とも格別な世界です。
その日はおそらくは今年最初で最後の実戦の釣りになると思われたため、なんとか1匹は釣り上げたく、気合いを入れて臨む。
ライズはあるので、魚がいるのは間違いなく、いろいろ予測をしながらフライを換え、何度も攻めるが一向に当たりなし。
サワサワと風になびく葉音に包まれながら、シューシューと竿を振り続ける。
が、当たりなし。
煙草に火をつけながら、「何がダメなんだろう?」といろいろ考えるが、ほぼ万策尽きかけた感じだ。ふと、フライボックスを見ると、管釣り用のエッグが・・。
「これでダメなら今日はもう駄目かも。」なんて思いながら、エッグでの第一投。
反応は非常に速かったです。
すぐに当りがあり、その日の1匹目は45cmのレインボー。
その後も40cm前後のレインボーを中心に7匹を釣り上げる。
パターンが見つかると、立て続けに釣れるから面白い。
この湖はブラウンが結構多く、折角来たのだからブラウン狙いに変更。
ポイントも変更し、一本だけ持ってきたルアーロッドに変更し、いろいろ遊んで見た。
結果はブランは0匹。
最後に、今日は10匹は釣りたかったので、再度ポイントを変え、フライロッドに持ち直して、エッグで攻める。
結局この日は12匹のレインボーで終始するが、40cm前後の型揃いで非常に満足がいく結果に終わった。
フライを知っている人からは、エッグなんて邪道だ!と言われそうですが、、はい。その通りです。
でも、紅葉は本当に綺麗だったなぁ。
来年はちゃんとフライで釣れるように頑張ります!!
それでは、今日はこの辺で。